大学時代のアイドルとママ

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「こんな時間に呼び出して何?」 あれからみのりを家まで送り、自身の家へと帰宅した。宙の家は五十嵐プロダクション、芸能事務所と兼用しているため、社長室にいた。 そこに集まっていたのはメンバーの2人。 「全員揃ったな。」 宙の父、五十嵐奏真(いがらしそうま)がデスクの椅子から立ち上がる。 「入ってこい。」 父の言葉に待機していたのか、ドアが開くとスーツを身に纏った男性が入ってきた。 「喜べ!お前たちのデビューが決まった!そして、お前達のマネージャーだ。」 男性はお辞儀をする。 「初めまして、柳涼平(やなぎりょうへい)です。」 「ずいぶん、若く見えますね、柳さん。」 「今年で30になりました。」 恭弥の言葉に柳は笑みを一つすると、スケジュール帳を開く。 「まず、3人には1週間後に控えた路上ライブを成功させて頂きます。」 「路上ライブ!?」 「いきなり?」 恭弥と翔が驚く中、宙はじっと柳の言葉に耳を傾けた。 「派手にいきましょ!僕達がアイドルの頂点であると人々の心に刻むのです!」 「気合い十分じゃん!嫌いじゃないな〜僕は。」 「3人での初ライブ!ワクワクしてきた!」 「…」
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