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第二話 ライバル現る!? ふしぎ探偵大ピンチ!
……えっ、展開早くない? ライバルってふつうもう少し後……。
「なにボサッとしている幻太郎! このわたしに宣戦布告が来たというのに!」
放課後、いつもの教室。
いつもはてなちゃんとぼくの二人だけなのに、そこには、もう一人男子児童がいた。
「国府田はてな。どうやら君は『ふしぎ探偵』とやらを名乗っているようだが……、父はお寺の住職、母は伝説の巫女、祖父はエクソシストで祖母は恐山のイタコという超常現象エリートであるこのぼく・榊シキミにかかれば、君なんてニセモノもいいところだな!」
また、変なの出てきた……。
てか、どんな家系だよ説明長いな。
「な、なにをっ! よし、そうと決まれば、推理力勝負といこうじゃないか!」
「ははっ、臨むところだ」
「このわたしですら解くのをためらう、この学校に二十年以上も伝わる七不思議のひとつ・図書室前の人形について……」
「ほう、面白いな。それが?」
「図書室の前、手作りのような人形がたくさん飾ってあるだろう? あれ、実は、ちょっとずつ増えているんだ……」
「はは、なんだそんなことか。そんなの、図書の先生が増やしているんだろ……」
「それが! わたしは入学してからずっと、あの人形について色んな人に聞いているが……。図書の先生どころか、ほかの先生たちも、もちろん生徒も、誰も知らないんだ。誰があの人形を増やしてるのか……」
「何……?」
「怖いだろう。しかも、先日二十年前のあの場所の写真を偶然見つけたが、その写真にも、人形はあった……」
「ば、ばかな! 先生ですら、異動があるからそんなに長くこの学校にはいないだろうに。それは心霊現象の予感がするな。ぼくの力でただちに除霊せねば……」
「ゴリラじじい」
「「へ?」」
「ゴリラじじいだよ、それ、作ってるの」
「……え、幻太郎、それが幽霊の名前か!?」
「違う違う、あの、用務員のマッチョなおじいちゃん」
「あぁ、あの、お歳のわりにはやたら上腕二頭筋が麗しいお方か……?」
「この学校で二十年以上用務員をしているんだけど、編みぐるみが趣味で、作品をあそこに飾っていくんだ。恥ずかしいから、こっそり」
はてなちゃんと榊くんは、ぼくを凝視してから、それぞれゆっくりとおたがいを見る。
「はっはっは」とふたりで仲良く笑って、教室は、平穏を取り戻していた。
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