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あらわれた謎の剣
変な声が聞こえたように思うけど、辺りには誰もいない。
あ、分かった。大声のせいで耳がキーンとしてるから、そのせいで何か聞こえたような気になったんだわ。
なんて思いながらあたしが両耳をポンポン叩いてると、
「ローゼ!!」
さっきのあたしに負けずとも劣らない声でアーヴィンが叫ぶ。そのただならぬ声に一体何が起こったんだろうと思う間もなく、あたしの足が宙に浮いた。
続いて甲高いヒューという風を切る音がしたかと思うと、ザッという何かが刺さるような音が少し離れた場所から。
そして、ドンッという鈍い音が近くから聞こえた。
事態の飲み込めないあたしが瞬いていると、アーヴィンの声がする。
「どこか痛いところは?」
見ると、あたしの顔から本当に近いところ。
下手するとキス2秒前くらいのところにアーヴィンの顔がある。
でも彼の表情は不安と心配に満ちていて、キスの前みたいなロマンチックな様子なんて全然なかった。
一体何が起きたのかと思いながら左右を確認して、あたしはようやくアーヴィンに床に倒されてるんだってことが分かる。
えっ、何これ? 一体どういう状況!?
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