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 早く決めないと、しかし、安易な決断は命を危険にさらす。僕は自分の呼吸の音と共に、汗が鎖骨を伝って落ちていくのを感じる。  エイジは自分の鼻をつまんで、決心するように僕をみた。僕も真似をして自分の鼻をつまむ。  彼は武器を背中のザックに固定すると、重い足を上げて進んだ。それを見て、僕らのために立ち止まってくれていた男は安心して前を向いて歩き始めた。  僕も慌てて武器をしまい、その後をついていく。 「歓迎されているようだな」  久しく彼の笑ったところを見た。それでも、心の中に不安はあった。 「なぁ、エイジ…大丈夫かな」 「さあね」というようなことを言った。でも、ヌィの被り物をとったところを見ると、随分、肩の力を抜いているように見えた。  歩く足取りは重く、引きずって歩く足は砂埃を立てる。水が欲しいと思った。 「なぁ、エイジ…おれたち帰れるのかな」  ピーゴット博士と交わした約束が夢か幻かのように思えた。どうだろう、と彼は言った。
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