ふねの少女ラメリ

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 ラメリのおうちは、世界中を旅する大きな客船です。  ラメリは赤ちゃんだった時、この船の甲板で、おぎゃーおぎゃーと1人ぼっちで泣いていました。  それを見つけた船長が「ラメリ」という名前をつけて、この船に住ませてくれました。  毎日、ラメリは甲板そうじや石炭運びをして働いています。  船ではたくさんの人が働いていますが、小さな子どもはラメリだけでした。  そしてときどき、マストのてっぺんに上っては、海を渡るカモメたちやクジラとおはなしをしたり、風の唄を聞いたり、大波小波たちとにらめっこ遊びをしたりして過ごしていました。  船の暮らしは大変ですが、毎日が冒険のようでとても楽しい日々です。  しかしラメリは、もし自分と同じくらいの友達がいたら、きっともっと楽しいだろうなと、いつも夢みていました。  
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