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そこへ通り掛かったのはシシトラだった。
「おい!」
どすの効いた低い声で呼び掛ける。夢中になり気付かないのか、三匹の野良猫は見向きもしない。
「てめぇら、俺の声が聞こえねぇのか! それくらいにしとけ、死んじまうぞ!」
今度は叫ぶように大声で呼び掛けた。それでも、聞こえないフリをしているのか一向に気付く気配がない。
「無視かよ……これだから最近の若いチンピラは」
明らかにやり過ぎな三匹に、シシトラは怒りを顕にした。
「やぁ~めぇ~ろおぉぉ!」
地面が揺れるほどの気迫で威嚇し、その迫力は波動となり三匹を震わした。
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