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ことの発端は俺が十二歳の頃にまで遡る。
十二歳で行われたバース検査でアルファと診断された俺は、親の勧めで中高一貫のアルファ校へ通うことになった。
生まれた時から幼馴染である折人もアルファであり同じ学校に通うことが決まっていた。
折人は何度も俺の診断書を見ては、
「オメガならめちゃくちゃに犯して僕のお嫁さんにしたのに」
と不穏なことを言っていた。
中学は折人にべったりされながらも比較的平和に過ごした。
だが、俺が高校に進学した頃、真夜中に突然尻の穴が濡れ出してオメガの発情が始まった。
俺の両親は共にベータで俺の発情期には気が付かなかったが、幼馴染で隣の家に住む折人にはすぐ気付かれてしまった。
「しーちゃん、すごい甘い匂いがしてるよ」
俺の部屋の窓が突然開かれ、そこから折人が入ってきた。
俺の部屋と折人の部屋は窓がくっつきそうなほど近く、普段から彼は人の部屋の窓を勝手に開けて侵入してくるのだ。
「ねえ、これってオメガの発情期でしょ? もしかして嘘をついてたの? 自分はアルファだって……」
「違う、俺はアルファだ! オメガなんかじゃない」
「でもさぁ」
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