猫罰

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 ***  ああ、わからない。  どうしてこんなことになるのか、わからない。 ――私、猫を殺しただけじゃない。人を殺したわけでも騙したわけでもない、なのに……!  車に撥ねられて、気づけば私はまた檻の中に戻っていた。  最初にいたのと、同じ場所。  私は全裸で、猫達に見下されて新聞紙の上で寝ている。閉じ込められた檻の中、ペットのように飼われている。人間としての尊厳など、何一つないままに。 「にゃ、にゃ?」 「なーう、なうなうなう、なう」 「にゃーう!にゃーにゃ、にゃっにゃ」  猫達は相変わらず、私の言葉など理解しない。ペットフードを差し入れて、愛玩動物のようにこちらを眺めて喜ぶばかり。  死んでも終わりなることなどない。時間がまた巻き戻るだけ。  私は彼らが満足するまで、服の一枚もないまま檻の中で飼われ続けるというのか。 ――こんなの嫌、嫌、嫌!私そんな、悪いことなんてしてないでしょ!?お願い誰か、誰か助けて……!!  逃げる場所など何処にもない。  此処は、猫罰。  猫を私利私欲で殺した者が墜ちる、地獄。
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