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数日後、改めて裁判が開かれた。
そこで証言する那美。
自分が高校でいじめを受けていたこと、その高校の元生徒である亮次と仲間達に呼び出され、乱暴され、レイプされかけたこと。裸で泣き叫んでいたところを、通りかかった富樫が助けてくれたこと……。
取り乱していた那美は礼も言えず、ただ泣き続けるだけだった。
そんな彼女に、富樫は優しく、逃げるように言った。
「君が襲われたことは黙ってる。だから、安心していいよ。そして、忘れるんだ」
彼は、那美の心の傷のことを慮ってくれた。表沙汰になれば更にショックを受け傷を大きくしてしまうだろうと考え、黙っていてくれたのだ。
室内がシーンとする。
そんな中、一人の少女が立ち上がった。悠香だ。気障男と一緒に傍聴している。義父母達は虐待の罪で逮捕された。悠香は今、富樫が昔いた施設で暮らしている。
「やっぱり、チャンピオンだよっ!」と叫ぶ悠香。
富樫は照れくさそうにフッと笑った。
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