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12
一年半後――。
富樫は横浜アリーナの控え室にいた。バンデージを巻き終わり、時を待つ。
「挑戦者、準備を」と声がかけられ、立ち上がる。
ゴタゴタはあったが、別のジムへ移籍した富樫は連勝を続けていた。
今、初めて世界へ挑戦する――。
控え室を出ると、そこには那美と悠香、気障男がいた。
悠香が「チャンピオンだよ」と笑った。
「うん」と応える富樫。「ベルト、とってくるよ」
「頑張ってください」と言う那美に笑って頷き、手を上げる気障男とハイタッチする。
そして、リングに向かって歩き出す。
プロボクシング世界ライト級最強の男と戦うために――。
Fin
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