もしかして…告白?!

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もしかして…告白?!

明日はバレンタイン。早く帰って用意しようと思いながら図書委員の仕事をしていると 「…広瀬?」 不意に声をかけてきたのは、学年トップの榊くん。本を探してる感じしない。 「何か探し物?」 「いや、広瀬に用あって。明日、時間ある?」 「ごめん、明日はちょっと」 ほぼ話したことないのに…なんだろ。 「そっか…え、っと」 周りを気にしてるみたい。 「どうかした?」 「ん、あの…俺さ」 ちょっと俯いて、でもすぐに顔を上げて 「じゃないや、広瀬って誰か、気になるやつとかいる?」 え?? 「高坂と仲いいけど幼馴染なんだろ」 「まぁ、うん、そう」 駿には片思いだし、望みもないからそう答えると、榊くんはほっとしたような表情で 「特に誰もいないなら、俺のこと、考えてくれないかな」 じっと見つめられて言われた。 「前から広瀬のこと気になってて…」 榊くんの頬が、少し赤らむ。 「返事、急がないから、じゃ」 肩をぽん、として、慌てて行っちゃった。入れ替わるかのようにガヤガヤと声が聞こえる。 ちょっと待って。今、なにが起きたの? ボーっとしてたら、委員の先輩に呼ばれた。 そうだった、図書委員の仕事してたんだった。 「はーい、すぐ戻ります!」 委員の仕事を終えて、暗くなる前に帰り道を急ぎつつ、榊くんのことがよぎる。 あれって…もしかして…告白?? そう気づいて思わず立ち止まる。 「え…ウソでしょ、ほんとに?」 思わず声出ちゃった。 あ…ほんとは明日話したかったのかな。 こんがらがった頭で考えても混乱するばかり。だって告白なんて初めてだもん。 どうしよう、舞衣に相談?いや、でもそれだと、勇気出して話してくれた榊くんに悪い気がする。 かといって駿に話すのはもっと違うよね…あーどうしよう~! 悩んでたら、家に着いた。 とりあえず、一旦忘れよう。 だって明日はバレンタイン。 初めての、駿とのデート。駿はそう思ってないけど、いいの。 脈なしってわかってるから期待もしないし、昨日作ったブラウニーあるし、明日は楽しむ! …何着てこうかな。 頭の片隅に今日の榊くんのことがありながら準備してると <朝、8時頃迎え行くからな、ま、ちょっとくらい遅れてもいいけど寝坊すんなよ> って、駿からメール。 <明日はよろしくね、おやすみ~> 返信しながら、もし榊くんのことを駿に話しても、特に反応ないよね、期待しないって思ってるのに、やっぱり期待しちゃってるのかな、矛盾してるな~あたしって、でもそれが恋ってものなのかな、なんて、まだごちゃごちゃ考えてた。
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