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本心だ。
京は上辺だけの友人ではない。
これから一生、その人生を終えるまで友でありたいと思う。そう思えるほど大切な人に出会えたことに感謝しなければならない。
と。
襖が開いてつばきがお盆を持ってこちらへ向かってくる。
「お饅頭なのですが、二つしかなくて…」
「誰か女中が食べたのかもしれない。ただ…女中分も買ってきたはずなんだが」
「誰か一つ多く食べてしまったのかもしれませんね」
つばきはクスクスと口元に手を当て上品に笑うと京と翔にそれぞれ一つずつ饅頭を置く。
「つばきちゃん、食べなくていいの?」
「いいのです、お客様なんですから翔様がお食べください」
つばきは当然のように自分以外の二人へそれを食べさせようとする。
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