33人が本棚に入れています
本棚に追加
昨夜は、結構遅い時間まで飲み食い
していた。
床に入ったのが、11時くらいだったと思う。
今日は、朝から今にも降り出しそうな
天気だった。朝食を済ませて
かっちゃんと、コンビニオーナーの
ところに向かう。
私も、かっちゃんも30分以上
無言でいた。
すると、急にかっちゃんが、話し出した。
「なあ、夏凛」
「なに?」
「もしも、犯人が正雄さん、だとしたら
今までどこで、どうやって生活して
きたのかな」
「う〜ん、まだ犯人と決まった訳じゃないけど
こればかりは、本人に聞いてみないと
わからないわね」
「50年も逃げ通せる物なのかな」
「警察だって、それなりに調べていただろうし
何故逃げ通せたのか・・・」
そんな話をしていたら、コンビニに
着いた。
私達が、店内に入るとオーナーが
出てきてくれた。
「待ってましたよ、探偵さん」
「お手数かけて、申し訳ありません」
「お手数だなんて、僕が勝手に
調べただけですから・・・
それで、これを見てください」
事務所に通され、ビデオを見させてもらった。
するとそこには、昨日見たビデオの男と
同じ服の男が、写っていた。
乾電池を大量に買っている。
そして、帰り際に別のカメラの方に
顔を向けた、そのカメラには、その男の
顔が、ハッキリと写っていた。
村長さんの家で見つけたあの写真と
見比べてみた。
そのビデオの男は、歳はとっていたが
写真の子供とよく似ていた。
そのビデオの映像をカメラに撮る。
帰ってダブルじいさんに見てもらう
それで、ハッキリするだろう。
他に写っている映像はなかったと言う。
この写真が決定的なものになるかもしれない
しかし、この男性の住んでいるところが
わからない。
今度また、店に来た時に連絡を下さいと
念を押して、私たちは帰った。
段々と、あの家にいたのは、
正雄さんだと言うことが、色濃く
なってきた。
しかし、もし正雄さんだとすると
50年間もどこに隠れていたのだろう。
私達は終始無言で猫飼村に着いてしまった。
猫飼じいさんの家に着くとそこには
猫間じいさんもいた。
写真を見てもらうのに丁度よかった。
ばあさんも含めてダブルじいさんに、
今日の写真を見せた。
写真を見た途端3人とも唖然としていた。
「こりゃあ、正雄に間違いねえ
村長にそっくりだで」
「んだ、これは正雄だ」
「と、言うことは、あの家にいるのは
正雄に間違いねえ」
「なして、正雄があの家に戻っているんだか?」
「この村には、空き家がかなりあるんですよね
その、村外れの正雄さんの家は、
今どうなっているんでしょうか?」
「あ〜っ、あの家は当に、ぶっつぶれてる、
あそこには住めんな」
「じゃあ、まだ住めそうな家は
たくさんあるんですね」
「そうじゃな、猫下の家なんかは
まだまだ住めそうじゃて」
「その、猫下さんの家はどこですか?」
「おめたちが今日、通って来た道沿いで
村の入り口の所にある家じゃよ」
かっちゃんが何か思い出したように
「もしかして、あそこの家か!」
「おじいさん達、今すぐ行ってみませんか?」
「あの辺も、あぶね〜猫がたくさんいるぞい」
「またたびの、細かくしたものは
まだ、ありますか?」
「それなら、たくさんあるぞい」
「それをたくさん持って、これから
すぐに行ってみましょう!危なくなったら
またたびをばら撒きながら、
逃げれば大丈夫でしょう」
「そだな、いってみっか、きんちゃん」
「おう!行ってみんべ」
最初のコメントを投稿しよう!