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安曇重工の研究所へ
ゲームセンターの外に出ると、真っ青の空に眩しい太陽が輝いている。
「ねぇ美空。お祝いに行こうよ」
紗香の誘いに頷こうとした時、背後から声を掛けられた。
「あの、高橋美空さんですね?」
えっ? と思い振り返ると、そこにはパンツスーツの美人が笑顔を見せていた。
「あっ、はい。貴女は?」
その問いに彼女は名刺を差し出した。
「私は安曇重工の山本と申します」
恐縮しながら名刺を受け取ると、そこには『秘書室 山本理紗』と書かれている。
「……安曇重工。あのゲームを造った……。そこの秘書さん……?」
「はい、ゲーム部門を統括しています橘副社長の秘書をしております。世界王者の高橋さん。厚木の研究所にお出で頂けないでしょうか?」
「研究所……ですか?」
「はい、研究所では機動兵器シミュレーターの究極のVR環境を実現したゲーム操縦席を開発しています。是非、世界王者のご意見を伺いたいのです」
その言葉に私はワクワクしていた。そんな最新のゲーム環境を見学出来るなんて、これは願ってもない機会だ。
横に立っている紗香をチラリと見ると、彼女は仕方ないわねという表情を浮かべている。
「美空、行きたいんでしょ。私とのお祝いはまたやりましょう」
「うん、ありがとう。紗香」
そして山本さんに向き直った。
「はい、お願いします。楽しみです!」
私の返答に山本さんは笑顔で頷いた。
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