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「見えた!」
光学モニターが捉えたパートナーの機体が表示されている。高度は320キロ。相対速度を合わせる為に20Gの減速に入る
「聴こえるか?」
男性の声が響いてくる。私のF52は彼の機体の横に並んだ。
「ええ、聴こえるわ」
「よし、自動翻訳も問題ないみたいだね」
「うん。ねぇ貴方の名前は。どこからゲームに?」
「僕の名前はビル。イオニア出身さ」
私はイオニアって国を知らなかった。どこに在るんだろう?
「私はミク。日本からよ」
「よしミク、作戦に入ろう。ラクティアはあと二日で太陽と衝突する」
「うん、暴走しているラクティアを止めるのね」
「そうだ。船は地球から150AU。速度は光速の99%。空間跳躍で船の前方に跳んで、相対速度を合わせて取り付く」
私にとって『初めての』空間跳躍だ。ワクワクする。
「跳躍アウト点は今、送った。行けそうかな?」
頭の中に跳躍経路が浮んで来る。
「ええ、行けるわ!」
「それじゃ行こう。2、1、跳躍!」
その掛け声に合わせ、私のF52も空間跳躍に入った。
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