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温かい内側の柔らかさを追いかける。遠慮がちに絡めていたものが徐々に求められるようにまとわりつき、胸がしなだれかかる。素肌の感触を探して手がシャツの内側へ入り込んだ。汗でしっとりと濡れた背中はなまめかしく佐良を掻き立てる。肩甲骨のカーブまでを往復し、細い腰を抱きしめた。碧の上気し蕩けていく表情と、くたりと身体をそわせてくる重みがたまらない。
唇を離し、甘い呼吸をする碧のシャツを脱がせた。あらわになった首筋から耳元へ唇で触れる。
「あ……」
弱いところで碧の身体がしなり、声が揺れた。鼓膜から全身を痺れさせるような甘さに貫かれる。爆走してどこかへ飛んでいきそうだ。瞬きの間に月まで行って帰ってきたかもしれない。身体を離し、ゆっくりと碧を横たえた。
慎重にキスを落とした。肩から日焼けのくっきりと残る腕へ、鎖骨から胸へ。触れるところすべてに碧が反応する。行き当たった先端を口に含み、飴玉のように転がした。
「あ……っ」
「感じる?」
「ん……っ」
少し怒ったような口調だが肯定は素直だ。
佐良は手のひらを胸から腹へと伝わせ、布の内側にある足の間の膨らみに触れた。腰をよじる碧の顔をちらと確かめ、目を泳がせるのを見て、スウェットと下着を脱がせる。
「佐良、見すぎ」
先が濡れるほどに硬くなったそれに目を奪われてしまった。不服そうな碧に佐良は覆いかぶさるように顔を近づけた。
「恥ずかしい?」
「当たり前だろ」
碧が目元を赤くし、身体ごと横を向いてしまった。碧が照れるほどいじめたくなる。
「嬉しいよ。そんなにしたかったの?」
「だから。そう言っただろ」
「もっと言って」
「……早く、して」
白い太腿の内側に手をすべらせ押し広げた。身体をかがめ、そのきめ細かい柔らかさに唇を這わせる。小さく佐良と呼ぶ声がし、硬さを増すその根元に唇を寄せた。碧の好きなところへは行かない。碧が焦れて腰を揺らした。待ちきれなくなったところでくびれに唇を這わせる。碧がびくりと腰を揺らし、蜜が溢れた。
「碧」
今すぐにでも入りたい。耳が痛くなるほどサイレンが鳴らし続けられているみたいだ。碧を上から抱きしめて深い息をついた。
「あ……佐良」
碧は肌が触れるだけで感じている。
「ゆっくりしよう」
抱きしめたまま向き合って横になった。密着した方が碧は安心する。胸をぴたりと合わせ、碧は佐良の首に腕を絡めキスをした。後ろの窄まりを探り、手を止めた。
「いい?」
碧がうなずく。
「怖くない?」
「怖くない」
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