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「やあ、ヒガタさん。こんなところでサボりですか? 随分と暇なのですねえ」  地下へと続く階段を下りていると背後から人の声がした。思わず驚いて振り向くと俺の部下であるラクトがいた。普段は頼れる部下なのだがこうして俺と2人きりになると何かと皮肉や嫌味を言ってくるのだ 「何を言っているんだお前は…… 。この下に誰かいる可能性が高い。今からそれを確認しに行くところだ」  一瞬幽霊が出たかと悲鳴が出そうになったが何とか抑えることができた。ラクトも気が付いていないようでからかってくる気配もない。  色素の薄い髪に琥珀色の瞳をしたこの国ではあまり見かけない風貌の彼は以前ならば人懐っこい笑みを浮かべヒガタさん、ヒガタさんと俺の後をついて回っていた。だが、いつからかは覚えていないが俺に嫌がらせともいえるような行為をし始めたのだった。  今まで見てきた人懐っこくかわいい気のあった頃とは大違いだ。随分と懐かれ信頼されていたと確信していたが、真逆のような性格になったことに驚きを隠せないでいた。 「そうでしたか、てっきり怖くなって逃げたのだと思いましたよ」  どうしたらそんな考えが浮かぶのかと疑問に思いながらも俺たちは地下へと到着した。大きな扉がありいかにも怪しそうな場所だ。先に一歩歩き出し扉を開けようとするラクトを呼び止め銃を持つように促した。  なんだか嫌な予感がしたからだ。
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