菜々子の香り

1/1
前へ
/20ページ
次へ

菜々子の香り

うちのオヤジと菜々子姉ちゃんの父親が兄弟なので、俺達は同じ水野姓なのだ。 俺の差し出したジャージを菜々子姉ちゃんは素早く羽織る。 「ありがと。洗って返すね!」 俺が着たときには現れない2つの膨らみを揺らして、菜々子姉ちゃんは走り去った。 「いいなぁ、匠。後であのジャージ貸してくれよ」 「戻ってくるの、洗濯後だぞ?」 「いいんだよ、菜々子さんと同じ柔軟剤の香りを堪能するんだから」 「変態かよ!」 裕介にそう言いつつも、あのジャージが戻ってきたら多分俺も顔をつけて深呼吸するだろうなと思った。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

50人が本棚に入れています
本棚に追加