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──そして、4度目の新しい春が俺たちに訪れた。
俺と清風には中学3年間で更なる偏差値の差が存在したが、中高一貫校に通う俺たちは進むクラスこそ違ったものの、脅威の腐れ縁は再び延長戦へと突入した。
中学時代、清風からよく星を見ながら神話の話をされたことに感化された俺は、我ながら似合わないと思いつつも天文部に入部した。
噂には聞いていたが、部員のほとんどは男で、軽い気持ちで入部した俺にはあまりにも濃厚な先輩の宇宙語りに一日で胸焼けがした。
天文部の活動は主に夜だ。我ながら子供っぽいとは思うが、夜の活動だなんて他の部活では絶対に味わえない特別感に俺はテンションが上がった。
それを一緒に共有したくて、俺はクラスの違う清風を天文部へ誘った。クラスが違えば付き合う友達も必然と変わる。当たり前だけど、なんだか俺はそれが寂しくて……。清風には俺のそんな本心が見えたのか、優しく笑ってOKしてくれた。そうやって俺は、少し距離の出来つつあったこの腐れ縁を無理矢理に繋げた。
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