にゃんこLOVE

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にゃんこLOVE

 サツキは、かつてほぼ毎日、眠るまでの数分間、猫動画を見て癒やされていた。実家では、犬を飼っていて猫と戯れたことはなかったので、逆に苦手な方だと思っていた。それが、テレビやCMで見るあどけない姿にいつしか心をもっていかれた。それから、猫動画を見るうちに、いつしか猫と一緒に暮らしたいと願うようになっていった。  しかし、サツキが暮らすのは、こじんまりとしたワンルームの賃貸。動物の飼育は厳禁。現実問題、猫と暮らすのは夢のまた夢なのだと諦めていた。   一時にゃんこのぬいぐるみを買うことを考えないでもなかったが、本物の可愛さにまさるはずも無く買うことをためらっていた。それが、まさかのタクヤからのプレゼント。  マシュマロのように、ふわふわもこもこでまっ白い色のぬいぐるみにサツキのハートは鷲掴みされ、いや、ハートを撃ち抜かれたのだった…… 「この子の名前はどうしよう。うーん」  雪のようにまっ白で愛嬌のある顔つき。 「スノウにしようかな? それとも、フワちゃ……モコモコ? なんか違う。あっ、スノにしよう!」  名前を考える。それは子供の頃のような懐かしい、心臓がドキドキして心がワクワクするような感覚。  サツキは可愛さのあまり、思わずギュッーっと抱きしめた。  それから、サツキは毎夜スノとピロートークをしながら、いつしか眠りにつくようになったのだった。
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