不思議の入口

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不思議の入口

 仕事がずっと忙しいサツキは職場と家の往復で、その家には寝に帰るだけの日々が続いていた。さすがに部屋の中が雑然としてくる。 「今日こそ掃除するか……」  疲れて動きたくない気持ちをエイヤッと動かした。  ベッド周りを掃除していた時、急に足の裏に異変を感じた。「やだ、何か踏んだ!」  ベッドに座って足の裏を見ると、なにかの破片のような物が足裏に刺さっていた。「何これ?」  抜いて手のひらに乗せて見ると、ガラスのような小さな破片。部屋の光が当たると何故かキラキラと光った。  「なんでこんな物が家に落ちてるの?」サツキが首をひねっていると、足裏がポツンと赤くなっていたのが見えた。「…うわッ血が出できた。でも痛くない」  サツキは片足ケンケンして、クローゼットの中から救急箱を取り出し、またベッドに戻って座ると足裏を消毒して絆創膏を貼った。 「ふぅ、とんだ災難。そうだ、破片、どうしたっけ」  血を見て慌ててしまったサツキ。  破片を探していると、急に足裏にまた違和感を感じた「え?」すると、今度はプシューと音がした。  サツキは全身の力が一気に抜け、そのままベッドに倒れ込んだ。
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