17人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
不思議の入口
仕事がずっと忙しいサツキは職場と家の往復で、その家には寝に帰るだけの日々が続いていた。さすがに部屋の中が雑然としてくる。
「今日こそ掃除するか……」
疲れて動きたくない気持ちをエイヤッと動かした。
ベッド周りを掃除していた時、急に足の裏に異変を感じた。「やだ、何か踏んだ!」
ベッドに座って足の裏を見ると、なにかの破片のような物が足裏に刺さっていた。「何これ?」 抜いて手のひらに乗せて見ると、ガラスのような小さな破片。部屋の光が当たると何故かキラキラと光った。
「なんでこんな物が家に落ちてるの?」サツキが首をひねっていると、足裏がポツンと赤くなっていたのが見えた。「…うわッ血が出できた。でも痛くない」
サツキは片足ケンケンして、クローゼットの中から救急箱を取り出し、またベッドに戻って座ると足裏を消毒して絆創膏を貼った。
「ふぅ、とんだ災難。そうだ、破片、どうしたっけ」
血を見て慌ててしまったサツキ。
破片を探していると、急に足裏にまた違和感を感じた「え?」すると、今度はプシューと音がした。
サツキは全身の力が一気に抜け、そのままベッドに倒れ込んだ。
最初のコメントを投稿しよう!