ファンタジーなんてガラじゃないと思う

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ファンタジーなんてガラじゃないと思う

 なんだか体がゆらゆらと揺られている。そんな気がしてサツキは閉じていた目をそっと開けてみた。下に地面が見える。でも、地に足は着いていない。  これは、一体どうしたことだろう……?   手足がブラブラして、しかも力が入らない。ゆっくりと地面が動いている。 移動してる?  サツキは記憶を辿ろうとした。 「昨日もスノを抱いて寝たんだよね。朝、起きたっけ? あ、仕事は?!」焦ったが、さっぱり思い出せなかった。すると、 いきなりの浮遊感を感じて「キャーッ」と悲鳴をあげた。そして、ドサッと地面に落下した。 「イタタタ……」  サツキは手足を動かして怪我してる所がないか確かめてみた。良かった。手足は動く。 「ふぅ、下が柔らかい芝生で助かった……」  打った所が痛いけど、なんとかすり傷だけで済んだみたい。 『ボス、連れて来たにゃ』 『おお、ご苦労にゃった』  サツキが声のした方を見ると、近くに大きな二匹の猫がいた。大人の男性程の大きさがある。つまり、二匹はサツキよりもかなり大きい。しかも、その二匹が何故か人間の言葉を喋っている。  ね、猫が喋ってる? それになんでそんなに大きいの?!  一匹の猫はニヤリと笑って、手を差し出した。 『ようこそサツキ、われらの世界へ歓迎するにゃ』  サツキは目と耳を疑った。 「えーっと、どういうこと?!」
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