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キャンディー
……愛してほしい?
……大切にしてほしい?
うん、そうだよね。愛している彼から自分も同じように愛してほしいよね。
「はい、これ……あげる。」
キャンディーを一粒あげるんだ。数が余っていたからではなく、それが自分の好みの味では無かったからでもないよ。ただ単純に、『私の飴玉を一つ分けてあげたい。』そう思ったんだ。
「いらない。」
そう言って、その子は去って行った。
あの子のためにしてあげたことなのに、あの子が喜ぶと思っていたのに、悲しいよ……とても虚しいし、君に差し出したこの手をどこに持って行けばいい?
この味、好きじゃなかったのかな?
渡し方が悪かったのかな?
私のことが、嫌いだったのかな……?
……そう、このキャンディーの名前は『愛』なんです。
返ってくることばかりじゃないんだ。分かっていても、つい期待をしてしまうから……同じ大きさが返ってこないと悲しくなってしまうよね。
じゃあそんな時は、それくらい誰かを無償で愛してあげられている “自分のことを” 愛して褒めてあげてほしい。
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