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その後も、ショッピングモール内で何度も事故に遭いそうになる私。
蓮はその度に、自分の身を犠牲にしてでも助けてくれるが、怪我も増えるし、何より呼吸がとても苦しそうになっていく。
そうして、遂に私が8回目の事故に遭いそうになった時ーー蓮は、私を庇い、足に大きな怪我を負ってしまう。
蓮に肩を貸しながら、ショッピングモール内のバックヤードに向かうと、そこで救急車の到着を待つ私。
私はそこで救急箱を借りると、蓮に応急手当をしようとする。
せめて、消毒や止血だけでもしておかなければ。
やけに嫌がる蓮を半ば強引に押さえつけ、彼のジーンズの裾をめくる私。
その瞬間、私は息を飲んだ。
「これ……!」
蓮が足につけている2つのアンクレット。
それらは紛れもなく、私がチー助とミャーコにあげた首輪だったのだ。
(何で蓮がこれを持ってるの……?)
まさか、先ほどの話は全て本当だったというのか。
戸惑いを隠せない私は蓮と首輪を交互に見つめる。
と、蓮がゆっくり口を開いた。
「なぁ?真央。『猫には九生ある』って知ってる?」
蓮の言葉に、私はゆっくり頭を横に振った。
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