15人が本棚に入れています
本棚に追加
【6】
部屋のベッドで横になって、シロ先生の事を、淳人の事を思い返してみる。
俺はシロ先生が好きだった。
淳人の事を大切な親友だと思っていた。
その2人が抱き合うのを見て、悲しくて腹が立って、2人の顔を見たくないと思った。
……淳人はどう思った?
シロ先生は淳人は俺が好きだと言った。
淳人は俺がシロ先生を好きだと気付いていた。
俺がシロ先生を見ている時、淳人はずっとどんな気持ちで俺を見ていたんだ…?
枕元に放った携帯電話を見る。
着信履歴にもメール受信BOXにも、ズラッと並んだ淳人の名前
でもそれは数日前から途絶えたままだ
淳人からの連絡が途絶えてからも時々、俺は携帯を見ていた。
…何故だ?
……待っていたのだろうか、淳人からの連絡を
淳人は俺から離れて行かないと確認をしたかったのだろうか?
淳人を突き飛ばし走って逃げたあの時、後方で自転車が倒れる様な派手な音がしていた。
淳人は怪我をしたかもしれない。
俺は自分の事だけでいっぱいだった。
自分だけが傷ついたと思い込み、淳人も傷ついていたかもなんて考えもしなかった。
最低なのは俺も同じか…
携帯電話を手に取る。
着信履歴の番号をコールする。
淳人に謝ろう。
ちゃんと会って話をしよう。
最初のコメントを投稿しよう!