【おまけ】

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【おまけ】

~シロ先生~ 「俺にとっては桐島も大沢も大切な生徒だ」 あの言葉に嘘も偽りも無い。 「でも残酷ですね。どう見ても、大沢君は菅原先生の事が好きだった訳だし」 「そうかなぁ…考えすぎじゃないのか?」 「これだから鈍感な人は…」 「あ。今バカにしたでしょ?」 「バカにしてません。呆れているだけです」 まったく、言葉がキツイというか口が悪いというか… 「でもさぁ、さすが古典担当なだけあるよな。 “恋愛は数学のように公式に当てはめて正解が出る訳じゃない。国語や古典みたいに何回も見返して初めて本質が見えてくる” なんて、名言じゃない?」 「ただ事実を言っただけです。割り切れる恋愛なんてある訳ないでしょう」 「そりゃあ…まぁ…」 「桐島君が大沢君を好きだって事も、僕が言わなきゃ気付かなかったでしょう?菅原先生は」 「……ハイ…」 「でも、まあ…あの2人は時計の針みたいですね。桐島君は秒針かな。長針の大沢君を一生懸命追いかけて、一回りして追いついたと思ったらまた大沢君が一歩先に進んで。その大沢君は短針の菅原先生を追いかけてる。そんな感じですね」 「人間関係を時計の針に例えるとは詩人だね~」 「思っても無い事は言わないでください」 「でもさ、長針は秒針が無きゃ前に進めない訳だろ?やっぱり大沢友希也には桐島淳人が必要って事じゃん」 「そうなりますね」 「じゃあ、短針の俺は誰を追いかければ良いのやら…」 眼鏡の奥で細められた鋭い視線が、今日初めて真っ直ぐに俺を捉えた気がした。 「それは御自分で考えてください」 「…冷たいなぁ、青柳先生は……」 - 続 -
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