第2章:卒業【2】

1/2
前へ
/19ページ
次へ

第2章:卒業【2】

ピピッ、カシャ 何かの機械の様な音がして、呼ばれた様な気がして目を覚ました。 「…ん?……おわっ!?ゆ、友希也っ!」 「よう、やっと起きたな」 驚いて、そして恥ずかしそうに前髪を直したり顔を触る淳人を、心から可愛いと思う。 「…淳人ってさ、可愛いよな」 「は、はぁっ!?…い、いきなり何言って…」 頬を赤く染めて挙動不審者の如くバタつかせる腕を掴み、真っ直ぐに淳人の目を見る。 「淳人、好きだよ」 「…え?」 「俺は……淳人が好きだ」 「……友希也…」 掴まれた腕から伝わる掌の熱さに、友希也が嘘や冗談で言っているのではないと知る。 「……ホン…トに…?」 「ああ、今の俺はちゃんと桐島淳人が好きだ」 「…大沢友希也は……俺が…好き…?」 「淳人、俺の恋人になって欲しい」 「…っ、……友希也っ!!」 嬉しくて…嬉しくて嬉しくて、溢れる涙もそのままに友希也に抱きついた。 まるでマンガみたいにボロボロ泣きながら抱きついてきた淳人を、しっかりと受け止めた。 「…うっ、…ひっく、友希也…友希也…」 「今まですっげぇ待たせたよな?ゴメン、淳人。それから…ありがとう」 「…友希也……うぅ、友希也ぁ~…」
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加