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第2章:卒業【2】
ピピッ、カシャ
何かの機械の様な音がして、呼ばれた様な気がして目を覚ました。
「…ん?……おわっ!?ゆ、友希也っ!」
「よう、やっと起きたな」
驚いて、そして恥ずかしそうに前髪を直したり顔を触る淳人を、心から可愛いと思う。
「…淳人ってさ、可愛いよな」
「は、はぁっ!?…い、いきなり何言って…」
頬を赤く染めて挙動不審者の如くバタつかせる腕を掴み、真っ直ぐに淳人の目を見る。
「淳人、好きだよ」
「…え?」
「俺は……淳人が好きだ」
「……友希也…」
掴まれた腕から伝わる掌の熱さに、友希也が嘘や冗談で言っているのではないと知る。
「……ホン…トに…?」
「ああ、今の俺はちゃんと桐島淳人が好きだ」
「…大沢友希也は……俺が…好き…?」
「淳人、俺の恋人になって欲しい」
「…っ、……友希也っ!!」
嬉しくて…嬉しくて嬉しくて、溢れる涙もそのままに友希也に抱きついた。
まるでマンガみたいにボロボロ泣きながら抱きついてきた淳人を、しっかりと受け止めた。
「…うっ、…ひっく、友希也…友希也…」
「今まですっげぇ待たせたよな?ゴメン、淳人。それから…ありがとう」
「…友希也……うぅ、友希也ぁ~…」
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