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ガシャガシャン! 友希也に突き飛ばされる様な形で振り切られ、近くに停めてあった自転車の列に派手な音と共に倒れ込む。 「友希也!友希也っ!!」 慌てて起き上がるも、既に友希也の姿は何処にも見当たらない。 「…っ()ぇ……」 見ると、両手の甲や掌にいくつもの擦り傷。 手首に巻いていた安物の腕時計は、ガラスに罅が入り針は止まっていた。 「…っう、く……ふっぅ…」 手の傷より、壊れた腕時計より、友希也を傷つけあんな顔をさせた事が何より辛かった… その日を境に友希也は塾に姿を現さなくなった。 もともと家が逆方向で高校も違う俺達は、偶然にも道でバッタリなんて事でもない限り、顔を合わせる事も無いまま時間だけが過ぎていった。 手の傷が治っても、修理した腕時計が再び時を刻みだしても、俺達の関係は戻らない様な気がして、また涙が溢れてくる。 友希也に会いたいのに 友希也の声が聞きたいのに 友希也の笑顔を見たいのに その全てが、俺には許されない様な気がして…
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