覚醒

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 チカは吠えるキーシャに手を振り部屋から飛び出していった。 「待て! 僕を置いていくな!」  エルスは部屋の隅でじたばたともがいた。 しかしどうやっても拘束が解けない。 相変わらず部屋の中央ではセノとキーシャが戦っている。 次第にキーシャは追い詰められているようだ。 「聖剣ごときでこの私を倒せると思うなよ」  キーシャはナイフを己に向けて手のひらを切りつけた。 そして床に描かれた魔術陣に血を落とした。 「出てこい、古のハイゴーレムよ!」  キーシャの声に反応したのか、魔術陣が強い輝きを放った。 セノは慌ててキーシャから距離を取り、部屋の隅まで飛び退いた。 すると部屋全体がガタガタと音をたてて揺れ始め、魔法陣から大きなゴーレムが姿を現した。 キーシャは身長の三倍はありそうな大きなゴーレムの頭に飛び乗って笑った。 「このゴーレムには物理耐性を付与している。聖剣など私の敵ではない」  キーシャはゴーレムを操り、セノへ攻撃させた。 コーレムが大きな腕をセノに振り下ろす。 セノはそれを聖剣・シルドヘッドで防ぎ、ゴーレムに斬りかかった。
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