運命の出会い

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運命の出会い

「今までご苦労だった。エルス、君は今日で魔術師団をクビだ」 「……は?」  ここはテレオノーラ王国の首都・ラ・テレオノーラ。  首都の中心にそびえる大きな王城の中の小さな塔の一室で、エルスは今日から職を失った。  エルスの本名は、エルス・リ・ドラフ・ログレース。  由緒正しいログレース公爵家の三男坊である。  その容姿は光り輝くプラチナブランドの巻毛に黄金の瞳と華やかなもので、大変美しいものだった。  しかし、彼は見た目の美しさを帳消しにするほどわがままで、派手好きで、性格が悪かった。  彼は公爵家の権力によってテレオノーラ王国でもっとも尊敬される三代騎士団のひとつ、魔術騎士団に入団した。  しかし、彼には絶望的に魔術が使えなかった。  魔力とはこの世界で重宝されている聖なる力である。  その神聖な力は清い心をもつ聖なる貴族の子弟に宿ると言われている。  自分の従者をいじめて追い出すようなエルスは、清い心などという言葉からはもっとも遠い存在だった。
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