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ここの神官は太陽が登る前に起きて、日の出とともに祈りを捧げて朝が始まるそうです。
彼らはなぜ太陽が一日の始まりに登ると思っているのでしょうか。
真っ暗な中に起床するなんてありえないです。
僕は朝起きたらまず見習い神官の制服に着替えます。
この制服は本当に最悪です。
白い無地の布を切って縫っただけのもので、装飾品は一切禁止です。
こんな地味な服、僕の美学に反します。
そして礼拝堂へ向かい、ひたすら先輩たちに続いて謎の祈りを捧げます。
ろくに暖房もない中で膝をついて、のろまな太陽が顔を出すのを見守る時間は苦行でしかありません。
礼拝が終わったら朝食の時間です。
僕は下っ端なので先輩神官たちにパンを配って歩きます。
このときにいじわるな先輩、特にヤイルとかいう男は執拗に僕の邪魔をしてきます。
一度そいつに足を引っ掛けられてパンを床にばらまいたときは、なぜか彼ではなく僕が怒鳴られて本当に最悪の気分でした。
ちなみにこの朝食のパンは、パサパサでとても食べられたものじゃありません。
朝食の片付けが終わると掃除と洗濯の時間です。
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