見習い神官の日常

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 あいつはそろそろくたばってほしいです。  夜になると神殿は明かりが消されて真っ暗になります。  なんの楽しみもないので、僕はこの手紙を書き終わったらすぐに寝る予定です。  ところで父上、さっき洗剤の話をしたと思うのですが、あれはとある男から教わりました。  その男は近衛隊員のセノというらしいのですが、父上はご存知でしょうか。  なんでも最近になって、王子が自ら入隊させた男らしいです。  セノはいつも王子と共に神殿へやってきます。  彼は仕事をしている僕を見かけると、決まってこちらをニヤニヤ見てきます。  なんだか気持ちが悪いです。  僕が彼をにらみつけていると、やがて王子もこちらに気付いてやってきます。  そして毎回、僕にセノを押し付けて帰ってしまうのです。  洗剤は、そんなことがあった日に、たまたまセノが教えてくれました。  生意気な男だけど、親切でいいヤツです。  今度、父上にも紹介したいと思っています。  ところで僕はいつ実家に帰ることができるのでしょうか。  それとも今すぐ帰ってもいいのでしょうか。  返信待っています。  エルスより
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