邪竜の血

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「邪竜復活の度に姿を表す神子の力を封じることは、邪竜教徒にとっての最優先事項でした。しかし我々はある実験に成功した。邪竜の血を引く坊っちゃんの体液が、魔力を消し去る力を持つことを突き止めたのです」 「なっ……!」  エルスは頭が真っ白になった。 邪竜の血を引く……? 誰が……、まさか僕が……? 「うわぁ、なんか敵のIQ上がってないか? セノ大丈夫かな……」  相変わらずチカはよくわからないことを呟いている。 キーシャはポケットからナイフを取り出すと、エルスに近づいてきた。 「彼に血を飲ませましょう。そして神子様の力を封じるのです」 「なんでそんなことをしなくちゃいけないんだ! だいたい僕が邪竜のはずがない!」 「坊っちゃんは疑問に思ったことは無いのですか。なぜ名門ログレース家に生まれながら、自分だけが魔術を使えないのかと。ログレース家はかつて聖剣の勇者と共に邪竜を打ち倒した魔術師の末裔です。追い詰められた邪竜は最後の力で彼らに呪いをかけた。いつか次なる邪竜が彼らの血族に現れるようにと。そして生まれた次なる邪竜があなたなのです」 「そんなでたらめ誰が信じられるか!」
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