覚醒

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覚醒

「セノおそい!」 「悪い、建物はすぐわかったんだが部屋を探すのに手間取った」  キーシャは立ち上がると、乱入者に向かってナイフを構えた。 「おとりを用意していたはずだが、なぜここがわかった」 「それはこいつに聞いてくれ」  セノは大剣を振り、キーシャに向けた。 すると、大剣はカタカタと音を立てながら喋りだした。 『伝説の聖剣・シルドヘッドであるオラが、邪竜の匂いを辿れないはずないだろう』 「ふん、女神の犬どもが」  セノは聖剣を振り上げキーシャに飛びかかった。 だがキーシャはそれを避けて後ろに下がる。 避けられたセノの剣は、近くに居たエルスの耳元に突き刺さった。 「ぼ、僕を殺す気か!?」 「悪い、しばらく隅で待っててくれ」  セノは悲鳴を上げるエルスを蹴って、彼を部屋の隅へと転がした。 「なんて無礼なやつなんだ……」  エルスが呟いていると、いつのまにか拘束を解いたチカが壊された扉の上に立っていた。 「じゃあ僕はお先に。セノ、頑張ってくれ」 「くっ、なぜ神子が自由になってるんだ!」
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