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セノは聖剣を手に立ち上がるとキーシャの元に走っていき彼を捕らえた。
操縦者を失ったゴーレムは炎で焼かれ、やがて灰となって消えた。
それを見届けたエルスは満足げな笑みを浮かべて、飛ぶ力を失った翼でふらふらと地面に落ちて気を失ってしまった。
「セノ! なぜ邪竜を持って帰ってきたんだ!」
「こいつは俺を助けてくれたんだぞ。殺せるわけ無いだろ」
「ならオレたちが日本に帰れなくてもいいっていうのか。女神はこいつを殺せといったんだぞ」
枕元で誰かが争っている声がする。
エルスはうっすらと目を開けてそちらを見た。
そこではセノとチカが、お互いの胸ぐらをつかみ合って喧嘩をしていた。
「もういい、ここで奴を殺す。セノは手を出すな」
「やめろよ! 可愛そうだろう」
「目を覚ませよ。邪竜に可愛そうもくそもあるか!」
チカはセノを振りほどき、腰から短剣を引き抜くとエルスに向かって襲いかかった。
しかしそれをセノの聖剣が防ぐ。
「お前がエルスを傷つけるなら、俺はチカとは敵対することになる」
「なんでそんなに肩入れするんだよ」
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