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そして、何とか赤いイジュースを出せるようになったサンディル。
1つ目の試練の入口まで漕ぎ着けたのであった。
「最初はこのバラバラのペットボトルを適当に並べるのよね…。
よし、やってみるわよ!!」
「ものを浮かせれるようになったらこの試練は簡単だ。
俺の帽子を浮かせられたんだからな」
ヘライクマーは皮肉を言ったつもりだった。
しかし、サンディルにとってそれは皮肉という扱いにはならなかった。
ミゲルは顔を隠して笑っていた。
サンディルは左側頭部を擦って唱えた。
「オービエクト!!」
イジュースは赤く染まり、ペットボトルにそれを流した。
すると、
「よし!よしよし!!浮いたわ!!」
ペットボトルはヘライクマーの帽子の様に浮いた。
あとは、ペットボトルを倒さずに机の上に置くだけだった。
しかし…
ペットボトルの底は帽子と違って狭いので立たせるのはひと苦労だった。
「ダメダメ!!たおれちゃう!!もっとこう……あぁ違う!!」
サンディルのストレスは爆発寸前だった。
「手を動かしても何も起きないぞ。
イジュースを調整しろ。
イライラしてもどうにもならないぞ。」
サンディルは無意識のうちに手を動かしていた。
そして、ペットボトルは床に転がった。
「あぁ……もう1回…。」
サンディルの長い挑戦が始まった。
20トライ目…
コロンッ
ペットボトルはまた床にころがった。
「んん……あぁ!!もう1回!!」
40トライ目…
トンッ
今度はペットボトルの底が机の上についた。
「やったわ!!続けたかいがあった!!
成功だわ!!」
だがしかし……
ピョーーン
ペットボトルはロケットのように机の上から飛んでいってしまった。
「まって!おかしいわ!!どういうこと!?」
「おぉ、赤いイジュースの射撃作用が起きたようだな。
これはこれで進歩だぞ。
ペットボトルを置く時はイジュースの出力を弱めながら置くのがコツなんだ。」
「早く言ってよ!!」
サンディルは怒り気味に言った。
そしてついに50トライ目!
サンディルはペットボトルを浮かせること自体はお手の者になった。
さぁ、最後はペットボトルを机の上に立てるだけ。
サンディルは精神を統一させた。
「考えることはひとつだけ。
ペットボトルを机の上に倒さず乗せるだけ…。
それ以外の考えはシャットアウトよ…。
いける…いけるわ……。」
宙に浮いたペットボトルの底は机の上につき、固定された。
「あとは優しくイジュースを解除するだけ……!」
光に包まれていたペットボトルの光は弱まり、そのまま静かに消えていった。
そしてペットボトルは見事に机の上に乗っていた。
「やっっっっったぁぁぁぁーーーーーー!!!!」
サンディルはジャンプして喜んだ。
「凄いや!!サンディル!!」
ミゲルも一緒に喜んだ。
「よくやったサンディル。
そしたら今やったのがまぐれじゃないって言うのを示すために残り2本も同じように机の上に置いてみろ。」
「分かったわやるわよ!」
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