第7話 2人目の呪!?

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サンディルは宙に浮かんだボルトを手にした。 「やるしかないわ! まだ1度も成功はしたことは無いけれど…。 ここでやらなきゃ対処法は……無い!!」 サンディルはボルトを右手の薬指と中指で掴んだ。 そして呼吸を整え、グッと構えた。 その時、ヘライクマーが言っていたことを思い出した。 「赤いイジュースは万能な魔法だ。 想像次第で色んなことが出来る。 このペットボトルの蓋の弾丸だってそうだ。 工夫に工夫を重ねていった結果生まれたのがその蓋の弾丸だ。 イジュースは元々操れるんだろ? なら赤いイジュースだって操れるに決まってる。 荒ぶる心を落ち着かせて。 もっとクリエイティビティに考えろ。」 サンディルはハッとした。 「そうだ。 ただこのボルトを相手に打ち込むだけじゃそこら辺に浮いてるもので防がれてしまう! なら、こうするしかない!!」 サンディルはまた構え直した。 今度は薬指と中指を交差させて、中指の先にボルトをおいた。 そして左側頭部を擦った。 「オービエクト!!」 赤いイジュースが飛び出した。 次に右手に赤いイジュースを流し、中指の先っぽに乗っているボルトに力を集中させ続けた。 「今だ!!」 サンディルはそう叫び、ボルトを植物の人間に打ち込んだ。 「残念だったなぁ……!!こんな直線の攻撃……跳ね返して当然だァ……!!」 植物の人間は余裕そうな顔をして、電灯でそのボルトをはね返そうとしていた。 「そうかしら」 サンディルはそう言うと、ボルトは電灯に強い力で跳ね返り、その他に浮いているゴミ箱などに反射し続けていた。 「なんだと……!反射しているじゃないか……!!」 カキン!カキン!カキン!と反射している中、植物の人間は防御を忘れて見ていた。 「もう1発!!今よ!!」 サンディルは植物の人間が防御していない隙に、もう1発のボルトを打ちかました。 ボルトは直線に飛んでいき、遂に、植物の人間の脳天に突き刺さった。 「うっ……まさか……こんなはずじゃぁ……こんなはずじゃぁ……!!!」 植物の人間はそう言うとその場で倒れた。 そして浮いていたものもすべて落下した。 「まずいわ!!逃げないと!!」 その後、全て落下した後に、ミゲルは車から飛び出して倒れている植物の人間の所まで走った。 「君!名前は…?もしかしてフロールか!?」 植物の人間は静かに目を開けた。 「フロール……そうだ…それが僕の名前だ…。 ついさっきまで俺は何を……。」 この植物の人間の正体はフロールと言った。 「お前は……ミゲルか??その喋り方……。」 「そうだよ!!僕はミゲルだ!!」 「会いたかった。」 2人は25年ぶりに抱き合った。 そして……。 「悪いなミゲル……俺はもう天に召されるみたいだ…。 お前との再会…。悪くはなかったぜ……。 ありがとう……。今度はあの世で会おうぜ…。」 「フロール!!待ってくれ!フロール!!」 フロールは本格的に天へ召された。 すると…なけなしの身体から光が浮かび上がってきた。 ミゲルはそれを握りしめて開いたら、光は身体に吸い込まれ、ハロルの時と同じようにまた結晶の1部が手のひらの中にあった。 フロール・フューゲ。 彼の魂は25年振りにリンダリン・リアルの呪縛から解放されたのであった。
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