第8話 ミゲルの悩み!?

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第8話 ミゲルの悩み!?

30年前…… フロール・フューゲ当時12歳の頃。 「俺はバットでボールを打っただけだ!!」 フロールは草野球をしている時にホームランを打ち、ボールが何件か先の家の窓ガラスを割ってしまった。 「フロール!!謝りなさい!!」 母はフロールに厳しく言った。 フロールが罪を認めなかったからだ。 フロールはその後にしぶしぶと「ごめんなさい」と言った。 しかし、フロールの心はモヤモヤしていた。 「せっかくの記念すべきホームランだったのになんで謝らなくちゃいけないんだ!!」 母と手を繋いで帰っていたフロールは不満を打ち明けた。 「フロール、悪気がなくてもやってしまったことは事実なのよ。 今回は偶然でこのような事態になってしまったのは分かってる。 あなたが悪気があってこんなことをする子じゃない事はお母さんしってるの。 だけどね、時には偶然起こったことでも頭を下げなきゃいけないときがあるのよ。」 フロールは下を向きながら「うん」と答えた。 天へ昇っていくフロールにふとそのような記憶が甦ってきた。 「あれ……なんで今こんなことを思い出すんだろう…。」 フロールは何故か母親との記憶がしんみりと甦ってきたのであった。 たどり着いた天国は一面真っ白で地平線がどこまでも続いていた。 「うわぁ……ここが天国か……。想像以上の場所だな……。」 「フロール兄ちゃん」 すると、どこからか聞き覚えのある声が聞こえた。 「ハロル……?ハロルなのか!?」 「そうだよ!ハロルだよ!!」 フロールとハロルは天国で再会を果たした。 「他の兄弟は??アンサー兄さん達は??」 「まだ天国に来たのは僕らだけだ。」 フロールは肩を落とした。 「あの時殺された時…俺たちは天国へは行けず、遺体が埋められた場所でずっと幽霊として居続けるのかと思ってた…。」 「僕もそう思ってたよ。でも、違った。」 「そうだ!!ミゲルに会ったんだ!!あいつ植物の体になって蘇っていたんだ!!」 フロールは興奮気味にミゲルに会ったことを話した。 「僕も会ったんだ。ミゲル兄さん悲しそうな顔してたな。」 「そりゃそうだろうな…。目の前で兄弟が死ぬんだもんな…。」 その時、フロールが何故ホームランの時の思い出が甦ってきたのかが分かった。 「そうか……分かったぞ…。」 「何が分かったの?」 「いや、これは私情だ。」 きっと悪気はないがミゲルを悲しませてしまったことに関係しているのだとフロールは感じた。 「ミゲル……悪いな……。 お前にばかり悲しい思いをさせて…。」
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