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第2話 植物の人間!?
時は流れ現在
2021年10月の7日。
サンディルはもう21歳。
16 の時にジムナシエスコーラン(日本で言う高校のようなもの)を飛び級で卒業したが、
大学には通わずにそのままひとり立ちした。現在はファーゲシュタに一軒家で一人暮らしをしており、ネットデザイナーの仕事をしている。
「はぁ…さてとフィーカの時間にするか。」
フィーカとは、甘いものと共にコーヒーを飲むひと時の時間である。
サンディルはこの時間になるとテレビをつけ、最近起きたニュースなどをみている。
ここ最近では特に気になっているニュースがサンディルにはあった。
そのニュースはとても奇妙なものを感じさせるようなものであった。
事の始まりは大韓民国の釜山のとある農家に人型の植物が生えてきたという事からだった。
その人型の植物は時が経つにつれてどんどんと人の形へと変化していいった。
そしてそこから2、3週間たった頃、その人型の植物は動き出したと思えばそのまま立ち上がり走り出したというのだ。
この様な魔法のような奇妙な出来事に世界中のメディアは大盛り上がりをみせ、人型の植物が走った跡から分かる分析や、これからこの植物が走る予想経路の予想や、最終的にどこに行き着くかなどの予想がどうなるかという意見が次々に飛び交った。
サンディルは机に肘をつけながら毎日そのニュースをみていた。
もっと言うとこのニュースのせいでサンディルのフィーカの時間は伸びていた。
しかし、サンディルはこの様な魔法のような出来事が起きても大して驚いていなかった。
嘗て体験した左側頭部から出る魔法があったからだ。
「もしかしたら、このニュースもイジュースが関わっているのかもしれないわね…。
まぁ、知らないけど。」
その魔法はイジュースと言った。
左側頭部から不思議な光を放つ魔法で、ある時は黄色く光って身体に強大な力をおくり、ある時は赤く光って物を浮かせたり自在に操れたり、ある時は青く光って人の潜在意識に侵入して操れたりすることが出来る。
サンディルはそのうちの黄色い光を操ることが出来たのであった。
しかし、それはもう遠い過去の話。
あれから6年経った今ではもう使う機会も無かったので今すぐ使えと言われて使えるかどうかも分からないのである。
「さっ、仕事に戻ろっ。」
サンディルは甘いお菓子も苦いコーヒーも胃の中にしまい、テレビを消して仕事に戻ろうとした。
その時、1本の電話が鳴った。
「あれ、誰からだろう。もしもし〜?」
「もしもし?私よ!シンディよ!」
「え!?シンディ!?久しぶりすぎる!!」
シンディとはサンディルの15歳の時の旧友である。
「どうしたの〜!?急に電話くれるなんて嬉しい!!」
サンディルはウキウキだった。
「サンディルって今ファーゲシュタに住んでるんでしょ?植物人間くんが韓国から走っているのは知ってるよね??実はその植物人間くんが走るだろう予想経路の中にファーゲシュタが入っててさぁ!!その走ってる姿を肉眼で見たくてファーゲシュタに行こうと思ってるの!!それでさぁ!良ければ3日くらい泊まりがけでそっちに来てもいい??」
「いいわよ!!全然いつでもおいでよ!!」
「ホントに!?ありがとう〜!それじゃ行くわね!!明日に」
「は?明日!?」
ガチャリ、ピーー…
サンディルはあまりに急な事に焦った。
「えっとえっと明日の何時頃にくるのかしら!!
もっかい電話しなきゃ!!
もしもし!!シンディ!!……」
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