第9話 赤いイジュースを極めろ!?

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第9話 赤いイジュースを極めろ!?

白いイジュースの謎を残したまま、カー・リッカーとはその日で一応別れた。 「またね。今日は運転ありがとう。」 サンディルはお礼を言った。 「お安い御用さ。家も近いしまた何かあったら呼んでくれ。 運転してやる。」 そしてしばらく沈黙が続いた。 「そんな寂しそうにするなって。 どうせまた嫌でも会うことになるだろ。」 ヘライクマーは横から口を挟んだ。 「それもそうだね。 僕の兄弟も近々蘇ってくるだろうし。」 ミゲルもそう言った。 「じゃぁ……、またよろしく!カー・リッカーさん!!」 サンディルがそう訂正した。 「リッカーでいいよ。 またよろしくな。」 そしてその日は終わりを迎えた。 1週間後……。 「ねぇ、ヘライクマー。」 「どうしたよ。」 「私って、赤いイジュースだいぶ扱えるようになってきたじゃない?」 「そうでもねぇな。」 「え!?」 サンディルとヘライクマーはイジュースに関する他愛ない会話をしていた。 「嘘でしょ!? 今の私なんかこんなフライパンだって軽々持ち上げられるのよ!! 手を使わずに赤いイジュースだけで!!」 「フライパン程度でしのごの言ってんじゃねぇよ。 いいか?真のイジュース使いってのはここまで使えてから言うんだ。 見てろよ?」 そう言うとヘライクマーは左側頭部を擦って赤いイジュースを出した。 「まずは無詠唱でイジュースを出すことが出来なきゃダメだな。」 「そんなの!黄色いイジュースなら私だってきっと出来るわよ!!」 「やってみな。」 「行くわよー……。」 サンディルは何も言わずに何度も左側頭部を擦ったが、何も出ることはなかった。 「なんでよ!!ちきしょう!!」 サンディルは自分の無力さを呪った。 「お前はまだまだ真のイジュース使いではないってことよ。」 ヘライクマーは煽った。 「更にだ。見てろよ。無詠唱で出せるだけじゃないぞ。」 そう言うとヘライクマーは赤いイジュースを部屋いっぱいに広げた。 「なによこれ!?部屋が真っ赤になったんだけど!?!?」 サンディルは驚いた。 そしてヘライクマーは、指を上にあげた。 すると、部屋が地震が起こったかのように震え始め、部屋中の物が宙に浮き始めた。 「中々手強いな。家そのものを浮かそうとしてるんだが……。」 「やめて!!今すぐ!!地面に水道管や電気ケーブルが流れているのよ!!」 「そうか…。そこまで言われちゃ仕方ないな。」 ヘライクマーは赤いイジュースを解除した。 宙に浮いていたあらゆる物が地面に落ちた。 サンディルはため息をついた。
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