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「まぁ知らなくて当然よね…。
自分を殺した相手なんて分かるはずないよ。」
サンディルは横からミゲルをフォローした。
シンディはため息を一度つくと、連絡先の書いてある紙の切れ端をミゲルに渡した。
「もし詳しいことが知りたくなったら、この男の人に連絡してみて。
この人はリンダリン・リアル事件についてずっと調査してる刑事さんなの。
きっとあの日の真相が分かるはずよ。」
ミゲルはその紙の切れ端をみつめた。
「この人は誰なの?」
サンディルは尋ねた。
「リンダリン・リアル事件について深く調査してる刑事さんなの。
名前はカー・リッカー。」
「時効が来ても調査し続けているって一体どうなの…?」
「さぁ、クビにでもなるんじゃない?」
「えぇ、なんか不憫。」
サンディルはその人が少し気になった。
「ねぇ、ミゲルあなたの判断次第では私も一緒に同行してもいいけど。
どうしたい?」
ミゲルはしばらく黙った。
そして、
「僕は僕と愛しい兄弟達がどうして死ぬことになったのかが知りたい。
リンダリン・リアルっていう人がどう関係してるかも気になるな。
僕、カー・リッカーという人に会いたい。」
サンディルは静かに頷き、
「分かったわ。
急ぎ足じゃなくてもいいから、ゆっくりと真実に近づきましょう。」
と言った。
「うん。」
ミゲルも頷いた。
「それでねミゲルくん、他にも聞きたいことが沢山あるの!」
シンディはまだ質問を終えていなかった。
「フューゲ家の真相に迫りたいんだけど…」
シンディがフューゲ家の真相について聞こうとした、その時だった。
「ドガーーン!!!」
突然、壁が破壊されたような音が部屋中に響いた。
「なんの音!?」
サンディルは急いで音の方へ駆けつけた。
するとそこには、ミゲルと同じ植物の体をした人間が膝と拳をついて構えていた。
シンディは悲鳴をあげて膝を抱えて怯えていた。
「あなた何者!?」
サンディルはそう尋ねた。
すると、植物の人間は白目を剥いたまま立ち上がり、
「これはこれは…ブランデー族のお嬢さん…。
今宵はいい夜でございますね…。
あなたの血が吹き出るにはピッタリの日和だぁ…。」
サンディルは当然不気味がりながら、
「あなたは何者!」
と勇敢に質問をした。
「俺の名前を知ったところで……今更どうにもならないだろう……。
あなたは……ここで死ぬからなぁ……。」
サンディルは咄嗟に何か武装出来るものを探したが、辺りには何も無かった。
するとサンディルは無意識に左側頭部を擦り、
「ポルテチオ」
と唱えた。
黄色いイジュースが飛び出た。
「やはり……あなたは立派なイジュース使いだ……。
だが…俺のイジュースの相手になるかな……??」
植物の人間も左側頭部を擦り、イジュースを出した。
「まさかっ!!あなたもイジュース使いなの!?」
サンディルは驚いた。
その間に植物の人間は拳にイジュースを流し込み、飛びかかってきた。
「さぁ、ブランデー族!!お前らのイジュースで立ち向かってみろ!!」
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