2人が本棚に入れています
本棚に追加
シンディはうずくまった体を何とか起こした。
ミゲルはうずくまっているシンディに手を差し伸べた。
そして、シンディは冷たいミゲルの手を握り、2人で一緒にサンディルの所へ向かった。
「サンディル…何なのこれは…?」
シンディは震えた声でサンディルに尋ねた。
「私にも分からないわ。
でもこの植物の人間、なんというか、その、不思議な力を使ってたわ。
その…シンディ、イジュースっていう情報は見た??」
サンディルはシンディにイジュースで巻き込ませたくないという思いがあるため、スパッとイジュースだとは言えなかった。
「知らないわイジュースなんて…それより、本棚から本が震えながら落ちてきたの…
本の中から声も聞こえるの……。」
サンディルはヘライクマーの事だと確信した。
これはまずい、このままだと確実にシンディがイジュース関連の出来事に足を突っ込むことになると察したサンディルはシンディに行った。
「シンディ…今この場ですごく奇妙なことが起きてるの。
このままだとあなたも巻き込むことになるわ。
だからお願い。
今日でもう帰って。
あなたまで巻き込みたくないの。
お願い。分かって。」
シンディはしばらく黙って、
「分かったわ。
でもあなた1人じゃ心配だわ。
何か出来ることがあればいつでも連絡して。」
と応えた。
その後、シンディは荷物をまとめてサンディルに別れを告げた。
「また会いましょうサンディル。
今度は何もトラブルが起きていない時にね。」
「えぇ、シンディ。
互いの平和を祈りましょう。」
そして、シンディは駅へ向かった。
サンディルは急いで部屋へ戻り、本棚の所へ向かった。
そこにはヘライクマーが万人をしている本が部屋の隅で倒れていた。
「ヘライクマー、出てきて!!いるんでしょ!!」
すると本の隙間から光が飛び出し、本を閉じている南京錠が破壊された。
そして本は開き、そこから緑色の顔にタキシードを着た男がメキメキと出てきた。
「誰かが俺の本を投げやがった。
誰だぁ??全く。」
「ヘライクマー!!!!」
サンディルはヘライクマーに抱きついた。
へライクマーとは、ブランデー族に代々受け継がれている「ブランデー族の秘密」という本の番人をしている妖怪?妖精?のような存在なのだ。
「おお!急にハグをされるとはな。
お前ももう女の子っていう歳じゃないだろう!!」
ヘライクマーは少しデレていた。
「そんなことしてる場合じゃないわ!!ヘライクマー!!不思議なことがいまさっき2つも起きたの!!
1つはミゲルっていう…」
「あぁ分かってる。フューゲ族の幽霊が現れたんだろ??」
「そう…なの。」
サンディルは自分でも何が起きているか理解出来ていなかった。
「本を持って現場まで連れて行ってくれ。」
「えぇ。分かったわ。」
ヘライクマーは本の半径5メートルまでしか移動ができない上自分で本を持てないため、移動するには誰かの助けが必要なのだ。
「うわぁ、散らかってるなぁ。
おい、この緑色のお友達は誰だ?」
「こんにちは。ミゲルって言います。」
「ミゲルか。俺はヘライクマーだ。
お前、フューゲ族の人間だろ?」
「え。ま…まぁ。そうです。」
ミゲルは恐る恐る答えた。
最初のコメントを投稿しよう!