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「やっぱりな。」
「どうして分かるの?」
サンディルは尋ねた。
「死んだフューゲ族が冬の戦士を連れてやってくるというお告げがあったんだ。」
「冬の戦士って……あぁ!ダイアン・ダウンズを倒すために必要な結晶のこと!?」
「倒すために必要なものというか魂の1部だな。
全部で3つあって、そのうちの1つはお前が破壊したんだったな、覚えてるか??」
ヘライクマーはサンディルに確認をした。
「えぇもちろん覚えてるわ!!」
サンディルはわかってるふりをした。
本当は忘れかけていたのだった。
すると、サンディルが倒した植物の人間が目を覚ました。
「ハッ!!」
今度は白目を剥いておらず、赤い瞳があった。
「気をつけて!!ヘライクマー!!
こいつはさっき突然現れてブランデー族を潰すとかなんか言って大暴れしてたの!!」
「そうなのか?」
ヘライクマーは尋ねた。
「名前も教えてくれないのよ!!」
サンディルはそう続けた。
「お前の名前はなんだ」
ヘライクマーは名前を聞いた。
「僕はハロル…。ハロル・フューゲ。」
「あれぇ!?」
サンディルは驚愕した。
「なんで私には教えてくれなかったのにヘライクマーには答えるのよ!
もしかして人を選んでる!?」
サンディルは怒り気味だった。
「僕はここで何をしてるの??
ここはどこなの??」
ハロルは困惑していた。
するとミゲルがハロルの近くに来た。
「ハロル!!ハロルなのか!?
僕はミゲルだ!!覚えているか!?
お前のひとつ上の兄貴だ!!」
「ミゲル…兄さん!!兄さんなの!?」
2人は抱き合った。
「おお兄弟の再会か!これは泣けるな。」
ヘライクマーは真顔で言った。
そして、ハロルは思い出したかのように頭を擦った。
「そうだ。これを兄さんに渡したかったんだ…。」
ハロルは煌めき輝く光をミゲルに渡した。
「フューゲ族のイジュースは人に譲渡できるって記載は本当だったのか!」
ヘライクマーは感心した。
するとサンディルは、
「今感動的な瞬間だから黙ってて!」
と突っ込んだ。
「ミゲル兄さん…僕もうこの世にはいられないみたいだ…。
きっと役目をもう果たしたからだ。
さようなら…。次会うときは天国で会いたいな…。」
「待て!ハロル行くな!!せっかく再会できたのに!!待ってくれ!!」
しかし次の瞬間には、ハロルが宿っていた植物の身体は萎れて、骨の役目をしていた木の枝と皮膚の役割をしていた木の葉が崩れ落ちた。
「うぅ……ハロル…。ハロル……。」
ミゲルは悲しんだ。
「なぁ、悲しんでるところ悪いが…その手に握ってるの見せてくれないか?」
ヘライクマーはミゲルがハロルから授かったものが気になった。
ミゲルは静かに手に握っていたものを見せた。
そこには眩いほどのイジュースの光とその中に何かの欠片があった。
「待て、この欠片何処かで見たことがあるぞ。」
ヘライクマーは思い出そうとした。
「思い出した!これは冬の戦士の1部だ!!
恐らく、誰かがこの冬の戦士で死んだフューゲ族の兄弟を蘇らせて、ブランデー族を倒すように操っているんだ!!なんて酷い話だ…。」
そして、サンディルがピンと来た
「リンダリン・リアルよ…。
そうよ!リンダリン・リアルが仕組んだのよ!!」
ヘライクマーはハッとした。
「リンダリン・リアル!!聞いたことがあるぞ!!」
サンディルとヘライクマーは目を合わせた。
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