後命1日

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「ただいま〜」 誰もいない1LDKの部屋に話しかける。今日もクタクタで、即ベッドにダイブ。コンビニで買った袋からガサガサとおにぎりを救出。 「お腹もすかないって…私終わってんな…」 ここ最近は、空腹すらも感じなくなって、餓死しない程度に適当に食べ物を身体に与えている状態。 特別な楽しみもほぼ無くて、仕事は残業まみれで、その分がお金になるとはいえ…別にお金を使う用事すらも無いし。 「あ、そういえば…」 洗剤を切らしていたことに気付き、ふと立ち上がった。買いに行かなきゃな。近くに24時間営業のスーパーがあるから…そこに行けばあるかな?なんて、ぼんやりする頭で考える。 「行くか…」 時計の針はちょうど10時を指していた。そこにスマホの通知。私に連絡してくる人なんていないし、どうせアプリの通知だろう、なんて思って画面を見る。 『皆さんにお知らせ。緊急生放送です。〜Rinn〜』 Rinnが生放送なんて珍しい。私はスマホにイヤホンを繋いで、財布だけを持ち外へ出た。 『こんばんは。Rinnです。突然すみません…』 聞きなれたハスキーボイスが心地よく耳に響く。 この時間帯は外を歩いている人も少なくて、ついついぼーっとしてしまう。
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