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『自分勝手ではございますが、僕は今日をもって活動を休止━━━』
彼の声がかき消されるかのように、バァン!!!と大きな音が響いた。その音は、私が轢かれた音だと知る前に私は意識を手放していた。
信号は青だったはず。きちんと確認した。だけど、Rinnの言葉に動揺してふと、一瞬横断歩道で立ち止まった私も悪い。
って、こんなこと考えているのはもう死んだ私?
別に、この世に未練なんてないけど、でも最後にもう一度彼に会いたかったな。
「みぃちゃん…?」
「…え?」
全く見ず知らずの人が、私の名前…というか、あだ名を読んでいる。誰、この人。
「桜木美空(さくらぎみく)さん?」
「あ、はい」
「あなた死んじゃったのよ」
「あ…はい。何となく分かります」
「でも、今回の死はあなたは少しも悪くなくて…」
「はぁ…」
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