私も、それ好き

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 俺は自分が使っているパソコンの前に腰を下ろす。 「あー、またホームページの更新かぁ。パソコン部ってこういうのだったわけ? なんかイメージと違うよな」 「わかる」  隣のパソコンの前で原がぶつくさ言っている。俺も同意する。  ゲームを作ったり3Dの動画なんかを作ったり、そういうのを期待してこの部活に入ったのに、やることと言えば学校のホームページの管理だった。 「先生がやるの面倒だから俺たちに押しつけてんじゃないの?」 「まあ、それもあるかもしれないけどね」 「あ、先輩。おはよーございます!」  いつの間にか、後ろに先輩が立っていた。慌てて原が挨拶している。と言っても、文化系のせいか上下関係はそれほど厳しくない。 「文化祭に向けてゲームとか作ったりするしさ。今の作業が一段落したら少し教えようか?」 「マジっすか!」  俺も声に出したりはしないけど、ちょっと楽しみになった。とはいえ、小さい頃から家でもパソコンを構っているので教わることはそんなにないのだが。けど、学校でもそういうことができるなら嬉しい。 「んじゃ、がんばるっす!」  猛烈にパソコンに向かい出す原は現金なやつだ。
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