コロナ禍の始まり

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庵…藤村庵(ふじむらいおり)。  高2の時、長野市内に遊びに行った時、駅でナンパされて付き合うようになったのに、3年目から急に「オレ俳優になる」って夢を語り、東京に行って遠距離になった男。今でも一応は彼氏。       そうーーーー思ってる。      それでも5年もほっとかれて     未来も何もかも見えなくなってる。 「まあね、茉莉子、潔癖やから」 「潔癖とか言う問題じゃないの!」 確かにっては思うけど    それだけで片付けられたくない。 「うちらはコロナとか気にせんでチューもエッチもしとるよ。大丈夫だって」 「夏菜子達はいいよ。地元どうしなんやなら。うちらはさ…」 「庵もしたくてたまらんちゃない?」 「まあね、電話するとすぐ電話エッチしたがるし」 「男ってねえ…誰もそんなもんやって」 「うちは無理!家にはじいちゃんもばあちゃんもおるしさ、お父さんは喘息(ぜんそく)持ちやしさ、それにコロナにでもなってん。村中(むらじゅう)から叩かれまくるよ。高瀬村初のコロナ患者って。それにさ、保育園でクラスターとかなったら仕事続けられなくない?」 アタシの地元は長野県の八ヶ岳の麓の小さな村、高瀬村。空気は美味しいし景色も人も最高。
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