友人Fの本懐3 - 卒業の夜に -

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一瞬、ノリ子先輩が起き上がろうとしたのを私は押さえつけた。 住職は線香の束に蝋燭で火をつけて、二人の上でその線香を振る様にして煙を浴びせる。 どのくらいの時間、読経が続いたのかわからなかったが、かなり長い時間だったと思う。 住職は二人の手の甲に筆ペンで文字を書き入れた。 そして二人を仰向けに寝かせた。 住職は私たちを見て、ようやく微笑む。 「はい。これで大丈夫でしょう」 住職のその言葉に私たちはホッとした。 Fも同様で、ゆっくりと足を崩して座った。 正直、凄く疲れていた。 私もその場で横になりたいくらいだった。
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