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一瞬、ノリ子先輩が起き上がろうとしたのを私は押さえつけた。
住職は線香の束に蝋燭で火をつけて、二人の上でその線香を振る様にして煙を浴びせる。
どのくらいの時間、読経が続いたのかわからなかったが、かなり長い時間だったと思う。
住職は二人の手の甲に筆ペンで文字を書き入れた。
そして二人を仰向けに寝かせた。
住職は私たちを見て、ようやく微笑む。
「はい。これで大丈夫でしょう」
住職のその言葉に私たちはホッとした。
Fも同様で、ゆっくりと足を崩して座った。
正直、凄く疲れていた。
私もその場で横になりたいくらいだった。
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