友人Fの本懐3 - 卒業の夜に -

25/31
16人が本棚に入れています
本棚に追加
/31ページ
「此処は寒いから向こうに行きましょうか」 と住職に言われ、私たちは二人の先輩を担いで和室に移動した。 住職の奥さんがお茶とお菓子を持ってやって来た。 それを受け取ってお礼を言うと、普段着に着替えた住職が戻って来た。 「びっくりしたやろ…」 と住職は笑っていた。 しかし私はまだ笑える状態ではなく、座布団を敷いて横になっている二人の先輩を見た。 「説明した方がええか」 と住職がFに言う。 Fは、 「あ、俺がしますんで」 と言うと、住職は頷き、 「じゃあちょっと風呂入って来るから。ゆっくりしとき」 と言って出て行った。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!