友人Fの本懐3 - 卒業の夜に -

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「事故物件ってのは、事故があって直ぐに入る人には告知する義務あるけど、多分、かなり古い話やから、もう何人もその部屋には住んでる筈や」 Fはまたお菓子を食べる。 「現に憑いてた子供は俺らよりも年上か同い年くらいになってるかもしれん」 そんな事までわかるのか…。 私は息を吐いた。 「ヨウ子さんは多分、ノリ子さんの家に行った事あるんやろうな…。ノリ子さんの身体から離れて、ヨウ子さんに憑いたって事は」 カズミ先輩とサワ子先輩はノリ子さんの家には行った事が無く、ヨウ子先輩は何度か行っていたと言う。 「霊感のある人ってF君やったんやね」 とカズミ先輩が私の方を見ていた。 「騙される所やったわ」 おいおい、これは私が騙した感じになるのでは…。 そう思っていると、Fが湯飲みを置いた。
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